ボディーガイド

股関節の機能×腰痛の発生原因

股関節は重心を捉え、動作においても中核の役目を担うことが多い関節です。
それゆえ、股関節自体の不具合はもちろん、そこに違和感がなくて違う部位の怪我や違和感につながっていたという事例がたくさんあります。
そんなことから、腰痛をピックアップしてご説明していきたいと思います。

可動すべき関節・安定すべき関節

基本的に関節は可動はしますが、連動した中での動作と捉えた時にはある程度決まった優先順位があります。

以上の通り、順繰りに安定と可動を繰り返し、“蛇腹”のように動くことを求められます。

今回は股関節の働きについて解説していきたいと思います。

股関節の不具合は、股関節自体の違和感や痛みの誘発に留まらず、あらゆる不調に繋がっていく可能性が大きい部位になります。

そのしくみを紐解いて行きましょう。

股関節のしくみ

股関節とは、骨盤に大腿骨頭がはまり込んで成り立つ関節です。

自由度の高い関節ゆえに求められる機能が多いです。
また、身体の重心点(第2仙椎前方・ヘソ下)からも近い位置にあることが多いので、初動の要として働くことが多い関節です。

※寛骨臼が凹面となり、大腿骨頭が凸面となって、臼に球がはまり込む形から臼状関節と呼ばれます。
※曲げ伸ばし、開く閉じる、捻るなどいろいろな方向へと動く関節なので、多軸関節という分類に当てはまります。

股関節に求められること

①無痛 ※痛いと何もできないから
②可動性
③支持性 (安定性)

①はクリアしていると仮定し、床から重い荷物を持ち上げる動作で考えて行きます。


股関節を曲げ、股関節を支点に関節が回ることで力が伝わります。

ここで股関節がサボると…


腰部の動きが優位になります。
これが腰痛(ギックリ腰など)に繋がる要因の1つです。

以上のことから股関節は可動することを求められることがお分かりいただけると思います。

動きたければまず安定せよ

寛骨臼に大腿骨頭がはまり込む

この形ゆえ、大腿骨頭がグルグル動き回るためには、③支持性(安定性)は外せない要素になります。

股関節は可動しなければいけない。

では言葉足らずで、

支持が確立した中で可動しなければならない。

と言わないとならないですね。
日本語難しいですね(笑)


股関節の基本環境を思い浮かべてみましょう。

立つ、立ち上がる、しゃがむ
※閉鎖性運動連鎖:クローズドキネマティックチェーン:CKC
今回は省きますが、ももをあげる、ボールを蹴るなど…
※開放性運動連鎖;オープンキネマティックチェーン:OKC

股関節には鉛直方向に『荷重』=『圧』がかかる環境下に置かれることが多いです。

荷重をかけるたびにグラグラしているとどうなるでしょうか?

バランスを取ろうとして引っ張り戻そうとする力が発生するので、
その周辺の筋肉が収縮しすぎたり、伸長しすぎたりして過緊張します。

その状態で無理な動きを続けると…
他の箇所が動作を補おうとし、余計な負担を強いることになります。

これが腰痛の原因その2とも言えます。

その他、筋繊維が挟まったり関節自体が触ることで股関節自体の痛みの発生や、足首痛、膝痛、肩痛、首痛、頭痛など…合わさって起こることも十分考えられます。

ストレッチが逆効果に…!?

その際、股関節周辺“だけ”を見た時、周辺筋肉が“硬いですね”となるケースが多いかと思います。

すると、ストレッチや筋膜リリースを指示されることが多いです。

これは間違いではありません。
筋肉は拮抗関係、“縮みすぎは伸ばす”というのは基本原則です。

しかし、“不安定が原因で固まっている”のに、そこを緩めても再び(より一層)不安定性を補おうと固まろうとしてしまいます。
もしくは、緩めようとも痛いだけで緩まらないこともあると思います。

何より最初に申し上げた通り、股関節は圧迫下にあることが多い関節です。

寛骨臼に向けて引き込んでおかなければならない性質なのにも関わらず、それと真逆の緩めるということだけを促してしまうと、更に調子を崩すケースが多いです。
(KUMA経験則含む)

固着していたものが除かれるなどで一時的に違和感が取れることはあります。

しかし股関節の気持ちを代弁しますと、

余計グラグラしちゃったじゃんよー!!!!!
もう一回何とか安定させるために固めないとー!!!!!

って感じなのだと思います(笑)

まとめ

圧迫下で股関節関連筋の安定性機能を向上させてから可動させる

ことが重要であることがお分かりいただけたでしょうか?

なので、わたしのセッションにおいては、必要に応じて股関節周辺を緩めることもありますが、その後に安定性を確保するエクササイズを必ず入れます。


股関節は骨盤に大きな関わりがあります。

そして、骨盤には上半身と下半身を繋ぐ役目があります。

作用・反作用の原則から言うと、足裏3点で踏ん張ったパワーを次に受け取るのが股関節です。

そのパワーをしっかりと『受け止め』ないと、繋ぎ目の役割は果たせません。


受け止めることが出来ていると、このように鉛直方向に押されてもひっくり返りません

繋げないということは、体幹ー背骨に力は伝わりません。

つまるところ
いくら腹筋・背筋トレーニングを積んでも、腰部は安定しないので腰痛は無くなりません。

ということになります。


腰痛のある方は、股関節の不安定性があるケースが多いです。

股関節の不安定性は、腰部の不安定性に繋がります。

腰部(腰椎)は、『安定』しなければならない関節です。

痛みは大切なシグナルですが、
木を見て森を見ずにならないように…

この記事を書いた人

KUMA
KUMAコンディショニングトレーナー
『思い通りに動く』 を科学して運動を通じて問題解決へ導くトレーナー。
*節々の怪我や違和感の原因究明
*日常動作の改善
*競技能力向上
*生活習慣病対応
*手術後等の後遺障害リハビリ
*マタニティヘルス(産前産後)
などの臨床経験多数あり。
大手フィットネスクラブの田園調布と築地の店舗、西荻窪レンタルスタジオ、その他都内近郊出張訪問など。
現場一筋、指導歴は13年目に突入。
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